あの場所をさがして

 父が描いた絵の場所を少し前から家族で探し訪ねています。歴史的建物や駅舎など、有名な建物はすぐにわかるのですが、父が好んで描いたどこにでもありそうな古い建物や街並、田舎の風景などはなかなか難しくてわかりません。

 絵を持って「この絵の場所はこの辺ですか?」と探偵になって聞き回って、そんな私たちの珍道中を紹介させていただきたいと思います。

 

 「あの場所をさがして」

 このタイトルは2012年10月に念願であった父の絵の作品集「生地正幸 作品集」を出版させていただきました。その作品集には「あの場所をさがして」というタイトルでピアノの曲の音楽CDを付けさせていただいています。

 その曲というのは、去年の8月に高槻で個展をさせていただいたときに、私たちが絵の場所を探している話や、その場所の写真を撮って絵と一緒にスクラップしているノートをご覧になった音楽家の大宅信三さんが、私たちが絵の場所を訪ね歩いている情景をイメージして音楽のプレゼントをしてくださいました。

 その曲のタイトルが「あの場所をさがして」です。

ピアノのここちよい曲で「こちらかな、あちらかな・・・」と歩いているようなゆっくりで素敵なメロディ。父の絵からは、思ってもみなかった出会いがあり、私たちは驚くばかりです。 

 

 最近では、その画集を購入していただいた方が、画集を持って出かけ絵の場所を探して「みつけたよ わかったよ」と私たちに教えてくださいます。私たちも頑張らなければと励まされます。 

 私たちの旅はまだまだ続きます。少しずつ紹介させていただきたいと思います。